猪鹿工房 山恵

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知っているようで知らない、イノシシとシカの違い

こんにちは、経営責任者井原です。

私はもともと動物看護師で、15年間ずっと命を守る仕事をしてきました。その私が今、毎日イノシシとシカと向き合いながら施設を経営しています。自分でもなかなか不思議な人生だなと思いますが、この仕事をしているからこそ伝えられることがあります。

今日は「ジビエはちょっと気になるけど、よくわからない」という方に向けて、私が現場で毎日感じていることを書いてみます。


「牡丹」「紅葉」って聞いたことありますか?

メニューで「牡丹鍋」「紅葉鍋」という言葉を見たことがある方もいるかもしれません。

  • 牡丹(ぼたん)= イノシシ
  • 紅葉(もみじ)= シカ 江戸時代、肉食が禁じられていた時代に、食材を花や植物の名前に言い換えたのが始まりと言われています。施設名の「猪鹿工房」には、この2種類を扱うという意味を込めています。名前の由来を知るだけで、少し身近に感じてもらえるかな、と思っています。

イノシシ肉のこと

私が毎日触れて感じるイノシシの一番の特徴は、脂の質です。

豚肉に似た見た目ですが、味はまったく別物。加熱したときに甘みが出て、脂がとろりとほどける感覚があります。「獣臭いんじゃないか」とよく聞かれますが、搬入後すぐに適切な処理をすれば臭みはほとんどありません。処理のスピードと技術が、味に直結しています。

冬に向けて脂をたくわえた時期の個体は、本当においしい。


シカ肉のこと

シカ肉は、私の中では赤身の理想形です。

脂がほとんどなく、たんぱく質と鉄分が豊富。カロリーが低いのに旨みはしっかりある。動物看護師をしていた頃から栄養には関心があったので、この肉の成分を初めて調べたとき、正直驚きました。鉄分は牛肉の約1.5倍とも言われています。

火を通しすぎると硬くなりやすいので、ステーキやローストは低温調理がおすすめです。私自身もシカ肉のローストが一番好きな食べ方です。

山の木の実をたっぷり食べた秋から冬の個体は、肉の色も濃く、旨みが違います。


私が現場で感じること

毎日両方を扱っていると、同じ種類でも個体によってまったく状態が違います。年齢、性別、季節、その個体が何を食べていたか。すべてが肉質に出ます。

「今日の猪は脂の乗りがいい」「このシカは若いから柔らかい」そういうことを感じながら作業をしています。スーパーの切り身を見ていた頃の私には、想像もできなかった感覚です。

工場で均一に作られる肉とは違う。それがジビエの面白さであり、扱う側としての難しさでもあります。


ジビエレシピもご紹介しておりますのでぜひご覧ください。